費用徴収

労災保険について未届け、手続怠慢などで保険関係が成立していない期間に事故が起こった場合、労働者には責任がありませんから保険給付は行われますが、事業主からは責任の程度に応じた費用が徴収されます。

また、労働保険料の納付についても、期限に間に合わなかったり、納付金額が間違っていたりすると、懲罰的徴収金である追徴金を課されます。

労災保険の未届け

事業主が故意または重大な過失によって、保険関係成立届をしていない期間に発生した事故について保険給付を行った場合、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を事業主から徴収することができます。

事由行政機関から労災保険に掛かる保険関係成立届の提出について指導等を受けたにも関わらず、提出を行っていない事業主行政機関から指導等を受けた事実はないものの、保険関係成立の日以降1年を経過してなお保険関係成立届を提出していない事業主
認定故意重大な過失
徴収金額保険給付額の100%保険給付額の40%

なお、この費用徴収の対象となる保険給付は次の通りです。

  • 休業補償給付及び休業給付
  • 傷病補償年金及び傷病年金
  • 障害補償給付及び障害給付
  • 遺族補償給付及び遺族給付
  • 葬祭料及び葬祭給付

ただし、この費用徴収は事故発生から3年間に限り行われます。

保険料の未納及び業務災害の原因が事業主である場合

事業主が、労働保険料を納付しない期間中に発生した事故について保険給付を子なった場合や事業主が故意または重大な過失によって発生させた業務災害の原因である事故について保険給付を行った場合も、その保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を事業主から徴収することができます。

この規定による徴収金の額は、厚生労働省労働基準局長が保険給付に要した費用、保険給付の種類、一般保険料の納入状況その他の事情を考慮して定める基準に従い、所轄都道府県労働局長が定めます。

労働保険料の追徴金

労働保険料を不当に納付しない時に追徴金が課せられます。

継続事業、有期事業とも事業主が確定保険料申告書を提出しないか、提出した申告書に誤りがあると認めるときに、政府は、労働保険料の額を決定し、事業主に通知します。これを認定決定といい、この決定がなされると、労働保険料とは別に労働保険料の10%に相当する額を追徴金として徴収されます。

ただし、この追徴金は確定保険料について認定決定がされた場合のみで、概算保険料が認定決定された場合は追徴金の徴収はありません。

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