厚生年金保険適用事業

厚生年金保険の適用事業は、健康保険の適用事業とほぼ同じです。異なる点は船員法第1条に規定する船員として船舶所有者に使用される者が乗り込む船舶が、厚生年金保険では適用事業所とされます。

船舶については、次の船舶を除きます。

  • 総トン数5トン未満の船舶
  • 湖、川又は港のみを航行する船舶
  • 総トン数30トン未満の漁船
  • 船舶職員及び小型船舶操縦者法に規定する小型船舶で、スポーツ又はレクリエーション用のヨット、モーターボート等

被保険者

健康保険と同様に、適用事業所に使用される者が被保険者となりますから、法人の役員も法人から労働の対償として報酬を得ている者は法人に使用される者と解され、被保険者資格があります。また、個人経営の事業主は使用される者ではないので被保険者とはなりません。

原則として、70才に達すると被保険者資格を失います。ただし、老齢又は退職を支給事由とする年金給付を受けるための受給資格期間を満たしていない場合は、一定の要件を満たせば、その期間を満たすまでの間、被保険者となることができる制度があります。

保険者

厚生年金保険は政府が管掌します。健康保険のように組合管掌はありません。厚生労働大臣が行う事務の多くは日本年金機構に委託されています。

保険料

保険料の徴収は健康保険と同様です。

保険料=標準報酬月額×保険料率

厚生年金保険における標準報酬月額は、毎月支払われる給与の額を30に分けた等級表に当てはめてキリのよい金額に置き換えたものです。給与の増減による標準報酬月額の改定は、原則として1年に1回見直されて、9月から新しい標準報酬月額を使用します。つまり1年間は同じ標準報酬月額を使って保険料の算出が行われます。

保険料率は、平成29年まで引き上げ中で、同年9月以降は18.3%で固定されます。ちなみに、平成26年9月からは17.474%、平成27年9月からは17.828%、平成28年9月からは18.182%です。

保険料の負担は、健康保険と同様に労使折半です。また、ボーナス(賞与)も保険料の対象となります。毎月の給与額に対する標準報酬月額と同様に、賞与額には標準賞与額といって、賞与額の千円未満を切り捨てた額を用います。ただし、その額が150万円を上回る時は150万円とします。健康保険のように標準賞与額の累計は行いません。

標準報酬月額等級表

等級標準報酬月額報酬月額等級標準報酬月額報酬月額
198,000~101,00016260,000250,000~270,000
2104,000101,000~107,00017280,000270,000~290,000
3110,000107,000~114,00018300,000290,000~310,000
4118,000114,000~122,00019320,000310,000~330,000
5126,000122,000~130,00020340,000330,000~350,000
6134,000130,000~138,00021360,000350,000~370,000
7142,000138,000~146,00022380,000370,000~395,000
8150,000146,000~155,00023410,000395,000~425,000
9160,000155,000~165,00024440,000425,000~455,000
10170,000165,000~175,00025470,000455,000~485,000
11180,000175,000~185,00026500,000485,000~515,000
12190,000185,000~195,00027530,000515,000~545,000
13200,000195,000~210,00028560,000545,000~575,000
14220,000210,000~230,00029590,000575,000~605,000
15240,000230,000~250,00030620,000605,000~

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